銙帯金具

 

(かたいかなぐ)

【考古】

革製の腰ベルトに付属する鉸具(かこ)(バックル)・銙板(かばん)(飾金具)・蛇尾(だび)(帯先金具)の総称。律令制において官人の正装に採用されたことから、7世紀後半以降の官衙遺跡などから出土する。平安時代になると銙板や蛇尾には金属製品に代わって石製品が用いられるようになり、石帯と呼ばれることもある。市内では梅坪遺跡から鉸具2点(写真上段)と銙板4点(青銅製3点・石製1点、写真中下段)、水入遺跡からは青銅製銙板1点(写真右下)が出土している。両遺跡とも矢作川の水運に関わる物資の集積地としての機能が考えられ、地方役所の関与が想定される。


『新修豊田市史』関係箇所:2巻105ページ、20巻52ページ

→ 梅坪遺跡水入遺跡