(かつだんそう)
【自然】
地層が切断され相対的にずれる現象が断層であり、切断面は断層面と呼ばれるが、断層の中でも地質時代の第四紀の後期(約12~13万年前)以降に繰り返し活動し、今後も活動する可能性のある断層が活断層とされる。活断層は地殻の傷であり、プレート運動によって蓄積された歪が解消される時、断層面に沿って破壊し地震を引き起こす。地下にあるこの破壊開始点が震源であり、破壊し動いた断層を震源断層、その破壊による断層面の変位が地上にまで達したものが地表地震断層とされる。活断層は相対的に片方がずれ落ちる正断層や、片方に乗り上げる逆断層、互いに水平方向へずれる横ずれ断層などがあり、これらは日本列島にかかる力の方向と断層面の走向によって変わってくる。地表に出現した地表地震断層のずれは、その後戻ることはなく、また次の地震によるずれによってずれ量が累積していく。これを繰り返すことで、地表には侵食や堆積では形成を説明できない変動地形が形成される。これら変動地形がどこにあるのかを探ることによって、活断層の位置や長さ、分布、形状を明らかにすることができる。市域においては、猿投山を挟んだ北側に、北東-西南方向に分布し、右横ずれ変位を示す猿投山北断層が顕著である。一方猿投山の東側から南側を巻くように北東-南西方向、北西側隆起の猿投-境川断層が分布している。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻29ページ