カツラ

 

(カツラ)

【自然】

温帯性樹種で市内では標高300mくらいの低山帯まで分布する。北海道から九州まで分布域は広いが、密度は低く単木状にみられる場合が多い。沢辺、伏流水のある谷間など湿潤地を好み、大木になる。主幹が衰弱し、朽ちても周りに胴吹きやひこばえを多数発生させ、叢生群状になるので「子持ち」の名が冠せられる個体が多い。市内では、大野瀬町の「大野瀬の子持桂」が典型で、県指定天然記念物として保護されている(写真)。その他、坪崎町、時瀬町、「猿投山のカツラ」(市指定)、閑羅瀬町の赤沢のカツラがある。香木の一種で、特に秋の森を散策すると甘い香りが漂ってきて、樹木本体がみえなくても、その存在を知らされる。


『新修豊田市史』関係箇所:23巻365ページ