(がとう)
【考古】
木造建築の多層塔を模した仏教信仰に関わる陶製多重塔で、屋蓋部や軸部などの各部品を積み上げると2.2mほどの高さになるものもある。瓦塔は木造建築による多層塔の代用品という説もある。8世紀には東北から九州までの各地で、9世紀以降は東日本でみられる。尾張・三河地域では8世紀後半の猿投窯で多数生産され、市内では舞木廃寺や伊保廃寺などの古代寺院跡、水入遺跡(写真)や郷上遺跡などの集落遺跡から出土している。集落内では鉄鉢形須恵器などの信仰関連遺物を伴って出土することが多く、近くに小規模な寺院があったことをうかがわせる。
『新修豊田市史』関係箇所:2巻123ページ、20巻166・192ページ