(かないけこようぐん)
【考古】
猿投山西南麓古窯跡群井ヶ谷地区の一角にあたる市域南西部の高岡地区本田町(令制下の碧海郡域)に所在する古窯群。昭和54(1979)年にトヨタ自動車高岡工場の駐車場造成に伴う発掘調査が行われ、分焔柱を有する窖窯3基などが検出された。いずれも12世紀末~13世紀前葉(山茶碗第5型式)の山茶碗窯で、多量の山茶碗・小皿に加え、少量ではあるが陶製羽釜・鍋、輪花碗、大碗・鉢・壺・托などが出土している。羽釜・鍋類は赤褐色を呈し、常滑窯産と見紛うような焼成品である。
『新修豊田市史』関係箇所:2巻160ページ、20巻696ページ