(かみごうこうじょう)
【現代】
大成町(上郷地区)に立地するトヨタ自動車株式会社の国内工場の一つ。エンジン生産の専門工場として建設され、昭和40(1965)年9月より稼働している。これまで、クラウン、マークX、ヴィッツ、エスティマなどの各車両用エンジンの生産や組み立てが行われてきた。トヨタ自動車では、1960年代に量産体制の確立に向けて本社工場と元町工場における生産機能の拡充が図られてきた。こうした中、自動車の輸入自由化に対応した国際競争力を強化し、品質、生産性の向上とコストの低減を図るためには、機能的、効率的で弾力性に富む経済的な専門工場を建設することが求められるようになった。結果として、これまで工場内でほぼ一貫していた生産工程を分割して、それぞれの生産工程に特化した工場が再配置されることになる。具体的には、車両組立の専門工場、エンジン製造専門工場、駆動系部品の専門工場、鋳造部品や鍛造部品の専門工場などを新たに建設するか再配置するかの方法が採られることになった。この考え方に基づき、本社工場内にあった鍛造工場は自動化を進めるなど効率性を高めていたものの、次第にその生産能力にも限界がみえつつあり、新たな専門工場の建設が計画されることとなった。こうして、昭和40年に、エンジンの専門工場として上郷工場の完成をみることになった。写真はトヨタ自動車株式会社提供。
『新修豊田市史』関係箇所:5巻204・293・295・303・476ページ
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