茅場切れ 

 

(かやばぎれ)

【民俗】〈環境〉

畝部東中島(上郷地区)に伝わる堤防決壊の伝承。茅場は矢作川右岸堤防沿いの地名で、水防のために屋敷全体を嵩上げしていたある家ではこの時の水害に際し、厩で飼っていた馬が水に浸かり、首だけを水面上に出していたと伝えられている。『上郷風土記』によれば、中島で記録に残る最後の決壊があったのは嘉永3(1850)年のことで、「茅場切れ」はこの時の話と推定される。近年の市域の矢作川では、濁流が堤防を越えることはあっても堤防の決壊は起きていない。〈環境〉

『新修豊田市史』関係箇所:16巻8ページ、10号19ページ