寒茶     

 

(かんちゃ)

【民俗】〈食生活〉

冬に摘んだ茶を寒茶・番茶などといい、市域の何か所かで飲まれていた。浅谷(旭地区)では秋の農作業後、山に自生するオチャノキの枝を持ち帰って葉をとり、焙烙で炒った。山谷(足助地区)では寒茶作りは12月の初め頃から1月下旬頃までで、薬罐に湯を沸騰させて寒茶を入れ、2分ほど沸かして色が出れば飲み頃だった。一度煎じた寒茶は二度までは煎じて飲むことができた。寒茶を飲む地域では、昭和30年代まで作られていた。〈食生活〉

『新修豊田市史』関係箇所:15巻165ページ