(ガンドウチ)
【民俗】〈年中行事〉
三月節供の時、子どもたちが「お雛さん見せて」と言って雛人形を飾っている近所の家を訪れ、菓子をもらってまわる行事。ガンドウチ、ガンド、オガンドなどと呼び、ガンドは強盗を意味する古語である。市域山間部では、女の子のみではなく男の子も参加し、受け入れる側も、女の子がいなくても人形があれば飾って菓子を用意し、子どもたちが来るのを待った。子どもたちはめいめい袋を持って、カラスミや竹寒天などの手作りの雛菓子をもらって持ち帰り、家ごとの味の違いを楽しんだという。近年は行事を行う地域も減少し、大人が事前調整をし、スナック菓子などを用意して行われるようになったところもある。市域平野部では、女の子たちが初節供の家のみを訪問してボロなどの菓子をもらったという事例が多く、大人の女性が一緒に参加することもあった。昭和30年代以降行わなくなった地域が多く、ガンドウチという呼び方もなくなった。〈年中行事〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻714ページ、16巻644ページ
→ 三月節供