(キセルガイ)
【自然】
キセルガイ科の陸貝で、形態が煙管に似る。海に棲むサザエと同じ巻貝であるが、本科は肺で呼吸する。すべて左巻き。卵胎生と卵生の両方の種類がある。県内で記録のあるキセルガイ類20 種中、市内には12種が生息する。市街地の乾燥地帯に生息する平地性種のナミコギセルを除いて、他の11種は山地性種であり、これらの大半がレッドデータブックに掲載されている希少種である。白山系のオクガタギセルは本市が分布の南限にあたり、生物地理学的に重要である。本科は世界中で3000種以上が棲息すると推計されており、その中でもオオギセルは世界最大のキセルガイ類として有名である。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻405ページ