記念林

 

(きねんりん)

【近代】

人物や歴史的事件などの記念を名目として造成もしくは設定された森林。明治期以降、日露戦争や大正大礼などの国家的な事業を記念し、各地で記念林が設置された。記念林はその設置目的から一般的な森林よりも風致性が考慮される傾向にあり、収穫はさることながら景観の維持も重視された。愛知県内では、東加茂郡、北設楽郡、南設楽郡、丹羽郡、額田郡が共同一致し、日露戦争の戦時記念として郡有林の植栽が計画された。市域では、田中従義東加茂郡長が中心となり、明治38(1905)年9月に東加茂郡金沢村(同39年から賀茂村)大字御内蔵連の488町歩余りが戦勝記念の郡有林として設定された。なお、日露戦争の記念林は全国的に学有林や村有林の一部として造林されることが多く、愛知県内諸郡のように郡有林として大規模な造林が行われた例は少ない。また、北設楽郡では大正大礼に際して大礼記念植栽地が造成され、記念林造成費の積み立てが行われた。

『新修豊田市史』関係箇所:4巻20・314・470ページ