木節粘土

 

(きぶしねんど)

【自然】

陶磁器の原料となる陶土のなかで、炭化した木片(亜炭片)を含む粘土。割れ目が木の節に似ていることから、この名前がついている。カオリナイトという粘土鉱物を主成分とする。陶土としては原土をそのまま用いるが、砂質のものは水で洗って(水簸)、石英などを取り除いて用いる場合もある。いっぽう、雲母を含む粘土はキラ、石英の粒を含む粘土が蛙目がいろめ粘土、ほとんど石英の粒からなる砂は珪砂けいしゃ・けいさと呼ばれる。木節粘土、蛙目粘土や珪砂は、水の作用で堆積した粘土層や砂層で、瀬戸陶土層と呼ばれる地層の中にはさまれている。瀬戸陶土層は、岐阜県東濃地方から土岐市、多治見市、愛知県瀬戸市、豊田市にかけて露出している。1000~1200万年前(新生代新第三紀中新世の中期)、この地方には緩やかに起伏する平原が広がっており、直径10kmほどの湖沼(水溜り)が各所に散在していた。これらの湖沼やそこに流れ込む小河川に堆積した土砂が瀬戸陶土層で、木節粘土は、これらの湖沼の波打ち際に堆積したものである。

『新修豊田市史』関係箇所:23巻17ページ

→ 蛙目粘土(ガエロメ粘土)瀬戸陶土層陶土