ギフチョウ

 

(ギフチョウ)

【自然】

春の女神と称されるアゲハチョウ科に属する蝶の一種で、その名称の通り黄色地に黒の縞模様、赤色や青色を配した美麗種である。里山(暖温帯落葉広葉樹林帯)に生息し、林床に生育するカンアオイ属植物を幼虫の餌として育つ。国第4次絶滅危惧Ⅱ類(VU)、愛知県絶滅危惧Ⅱ類、豊田市の配慮種。また日本固有種である。ちなみに一時的に飛来した種を含めて328 種に及ぶといわれている日本産蝶の中で、国内のみに分布する「日本固有種」は19 種しか生息しない。市域に広く分布するが、下山地区と稲武地区からは記録されていない。特に西広瀬町から昭和の森にかけた地区には多産していたが、その数も減少しつつある。雑木林の管理放棄、低地部での山林の宅地への開発や気候変動の影響等が考えられるが、保全の具体化が望まれる。


『新修豊田市史』関係箇所:23巻466ページ