(きゅうげつやき)
【近世】
足助の有力商人小出権三郎が瀬戸の陶工を招いて築いた窯で制作された焼き物。真弓焼とも呼ばれる。嘉永3(1850)年から同7年にかけて制作された。弓月焼の「弓月」は権三郎の狂名に因んだ呼称で、作品の多くは表面に狂歌が記されている。底の部分には、制作年と「真弓山下」「弓月焼」「長好庵」と記されているものが多い。「長好庵」も権三郎が名乗った号の一つである。「真弓山下」とあることから、窯の所在地は真弓山の麓と推測できるが、現在のところ確認されていない。
『新修豊田市史』関係箇所:3巻582ページ