(ぎょううん)
【近代】
足助町の暁雲社が発行していた月刊の郷土研究誌。昭和10(1935)年1月創刊、同17年10月、戦時下の物資不足のため第8巻第10号で終刊した。発行人は足助町の水野鋼一で、水野が退社した後には大山靏長が務めた。創刊号は700部であったが、隆盛期の発行部数は3000部にも及んだ。県会議員加藤庄三郎、足助町長宇野鍷太郎、足助神社奉賛会長野田鉄、香積寺住職藤木黙仙らが支援した。特に足助重範一族の顕彰、足助神社や真弓山城跡などの歴史探究、社格昇進運動、新社殿の造営事業などを推進することに尽力した。また国民精神作興運動など時局関係や出征兵士の記事も掲載された。俳句欄・広告欄もあって昭和10年代の足助の生活や文化を知る手がかりになる資料である。『暁雲』は欠号が多いが、足助資料館に所蔵されている。