京ヶ峰1号墳

 

(きょうがみね1ごうふん)

【考古】

高橋地区京ヶ峰の丘陵端部にあった6世紀後葉築造の古墳。直径約14mの円墳で、全長5.7m、最大幅1.6mの無袖形の横穴式石室をもつ。平成2(1990)年に市教育委員会による発掘調査が行われている。墳丘盛土直下の旧表土には、古墳築造前に周囲を焼き払った痕跡と考えられる炭粒が多く含まれていた。横穴式石室や墳丘からは6世紀後葉~7世紀中葉前後の須恵器や鉄鏃・耳環が出土している。横穴式石室は、擬似両袖形石室が主流となった7世紀前半以降の追葬時に形状が改変されており、異なる系統の石室の要素を取り入れた事例として注目される。古墳は調査後に、西側約300mの場所に移築された。


『新修豊田市史』関係箇所:1巻418・469ページ、19巻646ページ