切子玉 

 

(きりこだま)

【考古】

二つの截頭角錐を底面で合せたような形の多面体の玉。上下の截頭面から紐通し用の孔が穿たれ、連ねて装身具として用いられた。六角錐が多いが、なかには七・八角錐等のものもある。石材は水晶が多く、瑪瑙製・ガラス製もある。古墳時代後期に盛行し、多くは古墳の副葬品として出土する。市域では、6世紀中葉(か後半)の保見地区根川1号墳をはじめ7基の後期古墳から出土している。保見地区来姓8号墳(6世紀後半)出土の2点は七角錐で、他はいずれも六角錐である。数量的には7世紀初頭の保見地区南沢2号墳の13点が最多で、次いで保見地区キヨツカ2号墳と猿投地区藤山1号墳(いずれも6世紀後葉)において各5点が出土している。

『新修豊田市史』関係箇所:1巻442・455ページ、19巻408・427・436・446ページ

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