(クサガメ)
【自然】
イシガメ科イシガメ属に属する種。黒褐色の甲板を持ち、頭部には黒褐色の地色に黄色の線模様が入る。かつて本州、四国、九州では在来種と考えられていたが、遺伝的に中国、朝鮮半島産の個体ときわめて近縁であること、先史時代の遺構を含め、信頼できる化石が国内から出土しないこと、文献記録も18世紀末までしかさかのぼれないことなどから、国内の集団は移入種であることが強く示唆されている。また、最近でも中国から輸入された個体の遺棄が継続している可能性が高い。雑食性で水辺のさまざまな生物を捕食するほか、在来種のニホンイシガメとの交雑による遺伝子汚染も懸念される。豊田市内では優占種となることはあまりないものの、平野部の河川や溜池を中心に広く生息しており、生態系に対する悪影響が懸念される。丘陵地、山地域への侵入は限定的である。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻556ページ