(くちょう)
【近代】
明治初期の大区・小区制および愛知県の18区制下で、戸籍事務を含む地方行政全般を扱った役職。就任にあたっては県からの任命を受けた。明治5(1872)年5月、額田県は大区に大区長と副区長を、小区に戸長と副戸長を配置し、布告の伝達や諸願伺届の取り扱い、戸籍事務などを担わせた。区戸長の設置単位はたびたび改変されたが、明治5年11月27日に額田県が愛知県と合併したのち、大区に正副区長を、小区に戸長、町村に副戸長を置く体制となった。明治9年8月に大区・小区制が廃止されて18区制に再編されると、区長は区内を総理し、戸長の補佐を受け、事務を分掌する数人の副戸長を指揮する役職と位置付けられた。また、町村には用係が配置され、区戸長の指揮下で事務を担当した。明治10年11月から愛知県内で地方民会が開催されるようになると、区会の事務や区会所の建設を担った。
『新修豊田市史』関係箇所:4巻28・77ページ
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