(くぼたいせき)
【考古】
旭地区牛地町にある縄文時代~弥生時代の遺跡。矢作ダムの貯水池内に水没しており、渇水期に一部が現れる。元々は周囲の沖積低地よりも22mほど高い丘陵斜面上に所在していた。矢作ダム建設に先立つ事前調査で縄文時代中期後半の竪穴建物跡と石囲炉1基が検出され、根羽石製の打製石斧や黒曜石と石英製の石鏃が採集された。また、弥生時代前期~中期初頭の条痕文土器にともなって同前期の遠賀川式土器が数点であるが出土した。市域でこの遠賀川式土器が出土した遺跡は本遺跡を含め、僅かに5遺跡である。いずれも条痕文土器にともなって数点の遠賀川式土器が出土する点で共通しており、市域への弥生文化の伝播の在り方を考える上で注目される遺跡の一つである。
『新修豊田市史』関係箇所:1巻150ページ、19巻382ページ