懸濁物質

 

(けんだくぶっしつ)

【自然】

水中に懸濁している不溶解性物質(水に溶けない固体粒子)をいう。上水試験方法では2mmのふるいを通過し、孔径1μmの濾過材上に残留する物質を浮遊物質とする、と定義している。SS(Suspended Solidsの略)として、浮遊物質も含まれ、水の汚濁物質を示す指標の一つであり、これが多くなると光の透過を妨げ透明度が悪くなり、光合成などを阻害する。また、汚濁の進んだ水では有機態のSSの比率が高くなり、その有機物の分解に溶存酸素が消費されるため、生態系に影響を与える。厳密な意味では、濁度(水の濁りの程度を示すもので、土壌その他浮遊物質の混入、溶存物質の化学的変化などによるものや、地表水においては、降水の状況などによって大幅な変動を示す)との相関関係はないとされている。日本では、公共用水域における生活環境の保全に関わる環境基準、特定事業所に関わる排水基準等により基準値が定められている。

『新修豊田市史』関係箇所:23巻293ページ