(こうすいりょうとりゅうりょう)
【自然】
地上に降り注いだ雨や雪は、河川水あるいは地下に浸透して地下水として下流に流れていく。それらの流れる量(流量)は、流域に降った降水量に依存している。例えば、一般的に雨が多く降る梅雨に代表される夏の期間は、雨の少ない冬の期間と比較して、河川水の流量は多い傾向がある。深度の浅いところを流れる地下水は地表からの浸透の影響を受けるため、降水量が多くなると地下水の流量は増加する。近年はゲリラ豪雨に代表される短時間に多量の降水量を記録する事例が多くみられるが、そのような降水が発生すると河川水の流量も急激に増加し、堤防の決壊や堤防からの越流による洪水災害につながることがある。地表の被覆状態(土地利用)によっても、降水があったときの流量は大きく異なる。地表が土の場合は、地下への水の浸透が期待できるが、水を通さないアスファルトやコンクリートなどで覆われた場合は、地下への浸透が期待できないため、その地域に降った雨は、ほぼ直接河川に流入する。このような状況は都市化された地域でみられ、都市型水害として河川からの越流による浸水被害を引き起こすことがある。また、このような地域では地下への浸透量が減少することにより、地下水の流量の減少につながることが考えられる。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻232・245ページ