コウモリ

 

(コウモリ)

【自然】

コウモリの仲間は、翼手目に分類される飛翔性の哺乳類である。市内でみられるコウモリ類は全て夜行性で昆虫を食べ、飛翔の際には超音波による音響定位(エコーロケーション)を行っている。昼間の休息場所や、冬眠場所、繁殖や育児の場所は種によって好む場所が異なる。市内に生息が確認されたコウモリ類は、キクガシラコウモリ科のキクガシラコウモリとコキクガシラコウモリ、ユビナガコウモリ科のユビナガコウモリ、ヒナコウモリ科のヤマコウモリ(写真)、アブラコウモリ、ヒナコウモリ、モモジロコウモリ、テングコウモリ、コテングコウモリの9種である。キクガシラコウモリとコキクガシラコウモリは洞穴性の種であり、民家周辺でよくみられるアブラコウモリを除いた8種は全て県の絶滅のおそれのある種に指定されている。これらの種の中で、特にヤマコウモリは森林棲の種であって、日中の休み場所には大木の樹洞を主に使用するので環境悪化の影響を受けやすい。ヤマコウモリは国の絶滅危惧Ⅱ類で、県の絶滅危惧ⅠA類。キクガシラコウモリとコキクガシラコウモリは洞穴性の種で、鼻鏡があって超音波を効率的に発信している。両種とも県の準絶滅危惧種。モモジロコウモリも洞穴性の種で、県の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。コテングコウモリは県の絶滅危惧ⅠA類、テングコウモリは県の絶滅危惧ⅠB類に指定されている。ヒナコウモリは県の絶滅危惧ⅠB類で、繁殖の際には雌が集団で育児をする。


『新修豊田市史』関係箇所:23巻597ページ