コウヤマキ

 

(コウヤマキ)

【自然】

コウヤマキ科、一属一種の日本特産常緑針葉樹、雌雄同株で、花は4月上旬雌花と雄花を付け、10月に雌花が球果になる。耐陰性が強く、樹形が美しいので寺社境内や庭園に植栽されてきた。ヒマラヤシーダ、アラウカリアとともに世界3大庭園樹と呼ばれる。自生では山地の岩上や尾根近くに生育し、モミ、ツガ、ネズコ等と混生する。木曽5木の一つである。材は耐朽性が強く、建築、風呂桶、土台用材に使われる。『日本書紀』に素戔嗚尊の教えとして「マキは棺に用いよ」とあることに倣い、良質な棺桶材としても使われ、一般的なモミ材と区別される。また、古来樹皮はほぐして和船や桶などの水漏れ防止材として使われ、これをマキハダと呼んだ。市内では、小原地区東郷町の西山、同地区大ヶ蔵連国有林でみられ、同地区苅萱町峯森神社市指定天然記念物「コウヤマキ」がある。


『新修豊田市史』関係箇所:23巻364ページ