国勢調査 

 

(こくせいちょうさ)

【近代】

日本では、大正9(1920)年に最初の国勢調査が実施された。戸籍制度の整備を受けて、明治5(1872)年に人口調査が開始され、それ以降、戸籍に依拠する形の人口統計が作成された。しかし、この統計は戸籍上の届出漏れや重複、現住人口の算出根拠となる寄留制度の機能不全などの問題があり、正確性を欠いていたことから、明治30年代以降、政策立案の基礎資料として、あるいは行政上や軍事上の理由により、正確な人口を把握する必要性が意識されていた。そうした中、明治35年に「国勢調査ニ関スル法律」が制定され、当初は第1回国勢調査が明治38年に実施される予定であったが、日露戦争や第一次世界大戦の影響で延期され、最終的な実施は大正9(1920)年を待たねばならなかった。大正9年の国勢調査による市域の人口は9万9249人で、その後、旧碧海郡・西加茂郡域を中心に人口が増加し、昭和25(1950)年には14万15人に達した。

『新修豊田市史』関係箇所:4巻734ページ、12巻705・730ページ

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