(こくちゅうぶんすい)
【自然】
河谷の上流では尾根などを境として、水系はその左右に分かれて広がっていく。この高まりを分水界と呼び、太平洋側と日本海側を隔てる山脈など大規模な分水界は分水嶺などと呼ばれている。この分水界が谷の中にあり、ここを境に相対する方向へ河川が流れていく場所を谷中分水と呼ぶ。これは過去に形成された河谷が、地殻変動によって流れと反対方向に地盤が傾くことで流路が変わったり、河川争奪によって谷が放棄されたりすることで形成される。また侵食が断層の弱い部分に規制されて形成される構造谷中などに形成されることもある。三河高原でもいくつかの谷中分水が見られ、久木川水系と久井戸川(今朝平川)水系が、足助地区久木町中畑付近の谷底にあるわずかな高まり付近で分水界をなしている
『新修豊田市史』関係箇所:23巻31・35ページ