越戸面 

 

(こしどめん)

【自然】

豊田盆地にみられ、籠川面より一段高い段丘面。沖積面(現在の河床面)との高度差(比高)は1~5mで、名鉄三河線上挙母駅周辺が最も広く、このほか、花本町、上原町、寺部町、高上、野見町などにもみられる。越戸面は豊田盆地にみられるので、鵜の首の狭窄部で一時的に堰き止められていた矢作川が、堰止めを破って下流に流れ出た時に当時の河床面が離水した可能性が高い。越戸面をつくる越戸層は、厚さ数mの主に花崗岩のやや丸い大礫(径6~26cm)からなる礫層で、チャートなどの細礫(径2~4mm)も含まれる。礫のサイズは、現在の矢作川河床にみられるものより大きい。風化作用はほとんどこうむっておらず新鮮な見かけを呈する。なお、上述のチャートとは、珪質(SiO2)の殻をもつ放散虫などの遺骸が海底に降り積もってできた堆積岩。

『新修豊田市史』関係箇所:23巻8・52ページ

→ 河岸段丘籠川面豊田盆地領家花崗岩類