蚕霊神社 

 

(こだまじんじゃ)

【民俗】〈信仰〉

日面(小原地区)の蚕霊山(434m)頂上にある神社。養蚕の守護である「こだまさん」として市域内外の人々に親しまれてきた。明治24(1891)年に伊勢外宮の豊受大神の分霊を祀って「蚕霊教会所」としたのが始まりとされ、養蚕が盛んであった時代には春・秋の例大祭が盛大に行われ、養蚕業に関わる人たちの講社や、製糸工場の加茂蚕糸「蚕栄会」などが参列した。秋の例大祭では近在のムラから飾り馬が奉納され、境内で駆け馬をし、弓神事なども行われた。また小原地区の各集落から太鼓の打ち囃子が奉納され、大勢の参列者で賑わった。養蚕業が衰退してからも「蚕霊講」は解散せず、食物や農業、無病息災などの祈願は引き続き行われている。境内には御嶽大神が勧請され、御嶽遥拝所からは木曽御嶽の山容を拝することができる。蚕霊神社が講元となっている御嶽登山講があり、足助の御嶽行者を先達として夏山・寒山の登拝が行われている。〈信仰〉

『新修豊田市史』関係箇所:15巻797ページ

→ 御嶽信仰養蚕