(ごにんぐみ)
【近代】
近世・近代の町村で設けられた隣保組織。近隣の5戸前後を一組として編成された。近世の市域では、法度の遵守、切支丹の禁制、年貢諸役の納入、博打の禁止などの責任単位として、五人組が機能していた。五人組の存在は、明治維新後も確認できる。特に明治10年代、松方デフレによる経済不況や凶荒・飢饉の危機が村々を襲うと、市域では勤倹と貯蓄に関する村規約の作成が奨励されるとともに、規約の実効性を高めるために五人組が再興された。明治18(1885)年の東加茂郡では、村内5戸を一組に伍長ごちょう1人を置くこと、村内に1人の組長を置くこと、伍長は村内で財産と名望を持つ満25歳以上から公選すること、組内は親睦を旨として相互扶助に努めることなどを郡役所が通達し、村々では組長と伍長が選出された。明治維新後も、村やそれを支える隣保組織の共同性に依拠するかたちで、社会的危機への対処がはかられたのである
『新修豊田市史』関係箇所:4巻78ページ
→ 近隣組