子持勾玉

 

(こもちまがたま)

【考古】

勾玉の腹や側面・背面に小型の勾玉が付属する古墳時代の祭祀具のひとつ。古墳時代中期に出現し、6~7世紀の集落遺跡や祭祀遺跡などから出土することが多い。市内では猿投地区加納町の上ノ段遺跡の採集品が知られる。長さ11.6cmの大型品で、背部に2個、腹部に1個、両脇部に各2個の子勾玉が彫り出されている(写真)。また、上郷地区の神明遺跡の竪穴建物跡SB243出土の石製模造品は復元長約3cmと小型であるが、背部に3個の子勾玉が付いている。いずれも滑石製で、前者は6~7世紀、後者は5世紀中葉の遺物と考えられる。


『新修豊田市史』関係箇所:1巻378ページ、19巻26ページ

→ 石製模造品勾玉