(こもりようぐ)
【民俗】〈衣生活〉
戦前は、座布団やぼろきれを敷いた藁製のカゴに乳児を入れた。これをイズミ、クルミ(綾渡・足助地区、閑羅瀬・旭地区)、ツヅミ(綾渡)と呼んだ。農作業の時はイズミや乳母車を田んぼに持って行き、赤ちゃんを入れて泣いてもそのままにしていた。這うようになるとイズミから出てしまうので、サンジャクやオブヒモ(オビヒモ、ユイツキオビとも呼ぶ)で子どもをおぶった。寒い頃はネンネコバンテンやコモリバンテンを羽織った。袖のないネンネコバンテンは動きやすく、仕事用に使った。地域により、ショイコ(和会・上郷地区)、オカメ(野見・高橋地区)、カメノコ(保見・本地新田)と呼んだ。長い袖のあるコモリバンテンは外出用として使い、夏用は袷、冬用は綿入れに仕立てた。地域により、モリバンテン(東大林・下山地区、下佐切・足助地区、杉本・旭地区)、オビバンテン(折平・藤岡地区)、コオビバンテン(本地新田、野見)などと呼んだ。〈衣生活〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻256ページ、16巻254ページ