挙母土地住宅

 

(ころもとちじゅうたく)

【近代】

挙母町に存在した土地・住宅供給会社。昭和13(1938)年4月に創立された。設立の目的は、トヨタ自動車工業株式会社(トヨタ自工)挙母工場の建設に伴う労働者向け住宅建設であり、資本金15万円(うち創立時の払い込み済み額6万円)のうち5万円をトヨタ関係が出資。筆頭常務にトヨタ自工総務部長の山中清一が就任した。一方で、取締役に中村寿一、監査役に木下信も就任しており、トヨタ自工の子会社であると同時に町営住宅としての性格も併せ持っていた。住宅部と土地部とで構成されており、自社で借家経営をすると同時に、他の不動産会社への用地転売も通じて、住宅不足の解決と収益拡大を目指した。これらのうち住宅部はトヨタ自工の活況を反映して高稼働率を維持した一方で、土地部は土地建物売買への経済統制の影響を受けるようになった。敗戦後は持株整理に関連して、トヨタ自工の所有株式は昭和23年に売却された。その後の動向は不明。

『新修豊田市史』関係箇所:4巻676ページ

→ 木下信トヨタ自動車中村寿一