西運寺阿弥陀如来坐像

 

(さいうんじあみだにょらいざぞう)

【美術・工芸】

像高 69.1cm、檜材寄木造、内刳、玉眼、肉身部漆箔、衣部彩色。西運寺(市場町)の本尊で、衲衣を偏袒右肩に着け、来迎印をあらわし、蓮華座上に結跏趺坐する通形の阿弥陀如来坐像である。ただし、来迎印は左右手ともに第一指と第三指を合わせ、他指を開く仕草をあらわしている。本像は、内刳が腰の高さで上げ底式に彫り残して上下二段に分ける点や、木を寄せる際に主材を後ろ側にして前面に板材をあてる点などに技術的な特徴がみられ、平安時代後期の如来像の像容をみせながらも造形において新しい試みがなされていることがうかがえる尊像である。像底部の板材および像背面に墨書が残り、文久元(1861)年に浄徳寺の常慶という人物により彩色修理がなされたことがわかる。市指定文化財。


『新修豊田市史』関係箇所:21巻69ページ

→ 阿弥陀如来