(さいしゅうひょうき)
【自然】
地質時代の第四紀においては、地球全体の温暖化と寒冷化が繰り返し発生したことが明らかとなっている。その中でも約1万8千年~2万年前に寒冷な時期を迎えたとされ、現在から見てこの時期が最も現在に近い氷期であることからこの氷期を最終氷期と呼んでいる。最終氷期には寒冷化に伴って、高緯度地域に大陸氷床が拡大した結果、海面高度が現在と比較して約100m以上低下したと考えられており、その結果現在の伊勢湾や三河湾は全て陸化していた(図)。当時の海岸線は三重県志摩市大王崎の沖合から静岡県磐田市竜洋町の沖合付近を結ぶ付近にあり、木曽川や長良川は合流して伊勢湾を南流していた。豊川や矢作川も全て陸化していた三河湾内で合流し、さらに西流して木曽川に合流していた。海底地形図を見ると現在も伊勢湾底には当時の大河が刻んだ谷地形の一部が残ることがわかる。また本州、九州、四国、北海道を隔てる海は全て陸化し一続きになっていたばかりでなく、対馬海峡や間宮海峡も陸化し、ユーラシア大陸とつながっており、人類を含む動植物の大きな移動があったと考えられている。
『新修豊田市史』関係箇所:1巻38ページ、23巻8ページ