細石刃・細石核

 

(さいせきじん・さいせっかく)

【考古】

細石刃は幅5~10mmほどで幅の2倍以上の長さをもつ縦長の剥片(写真上:梅坪遺跡)。細石器の一種で、細石核は細石刃を剥離するための小形の石核(写真下:梅坪遺跡)。細石刃は側縁に溝を彫った木や角などに複数個はめ込んで使われた。細石刃は反りをなくして真っ直ぐにするために折り取られて中央部だけが使われることが多い。細石刃が作られた文化は細石器文化と呼ばれ、後期旧石器時代の終わり頃に北東アジアからアラスカにかけて広がり、一部は新石器時代まで続いた。日本列島では後期旧石器時代終末~縄文時代への移行期に展開している。市域では、挙母地区の秋葉遺跡や梅坪遺跡、霊岩寺B遺跡、猿投地区の大釜遺跡や千鳥南遺跡で発見されている。細石刃の製作技術は大きく分けると削片系細石核と非削片系細石核の2種がある。前者は両面加工の素材を準備する技法で東北日本中心に広がり、後者は分割した礫を素材とする技法で西南日本を中心に広がった。東海地方西部は非削片系細石核を用いる技法の範囲に含まれ、本市で確認されている細石核もすべてが非削片系のものである。


『新修豊田市史』関係箇所:1巻35・47ページ、18巻22ページ