(ざいもく)
【民俗】〈諸職〉
木は秋から冬にかけて伐採し、伐ることをソマ(杣)やサキヤマ(先山)、ネブセ(根ぶせ)といった、携わった人もソマ(杣)やソマビト(杣人)、あるいはバッサイシ(伐採師)、ヤマシ(山師)と呼んだ。伐った木は、スギであれば13尺(4m弱)の長さの丸太にして麓に下ろした。下ろすことをキダシ(木出し)やヤマダシ(山出し)と呼び、スラ(修羅)という搬送路や牛を使って麓のドバ(土場)に運んだ。昭和30年代以降は架線(ワイヤー)が使用された。丸太はリンと呼ばれる井桁に組んで乾燥させた。丸太から用材への加工は製材工場で行った。市域山間部の川沿いには、水車を動力源としてオビノコ(帯鋸、バンドソー)やマルノコ(丸鋸)、オサノコ(筬鋸)を回転させて加工する製材工場がみられた。昭和30年代頃までは人力による加工もみられ、角材はソマや大工がヨキ(斧)やチョウナ(手斧)を使い、板材はコビキ(木挽き)が幅の広いオオノコ(大鋸)を使って加工していた。〈諸職〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻69ページ