(さかきばらサミット)
【現代】
正式名は「榊原康政公ゆかり四市市長懇談会」。徳川家康譜代の臣榊原康政(1548~1606)にちなむ。康政の祖父清長は伊勢国から三河国上野(上郷地区)に移り、松平家の譜代の家臣となり、父の長政も家康の父松平広忠に仕えた。天文17(1548)年に上野に生まれた康政は13歳で家康に従え、のちに徳川三傑・徳川四天王・徳川十六神将の一人に数えられることになる傑物である。治水や新田開発、街道整備といった領地経営にも手腕を発揮し、知勇兼備のすぐれた為政者として評価が高い“戦国の武将・榊原康政公に学ぼう”を合言葉に、豊田市の呼びかけで康政ゆかりの豊田・館林・姫路・上越の4市の市長によって昭和60(1985)年7月に結成された。7月18日、豊田市長西山孝や榊原家当主夫妻をはじめ3市の市長が康政生誕記念碑のある上野城跡公園や清長と長政の菩提寺である隣松寺、松平東照宮などを見学に訪れている。毎年4市が持ち回りで開催しており、令和3(2021)年時点で36回を数える。このうち平成8(1996)年度に4市の間で災害時の飲料水・食料品・日用品、車両、資機材、職員などの相互応援に関わる「榊原公ゆかり都市災害時相互応援に関する協定」が結ばれ、平成10年度には「地球市民の理念に立ち、環境に配慮したまちづくりを積極的に推進する」ため「榊原康政公ゆかり四市環境宣言」が採択された。文化的な交流も行われており、平成20年に姫路市で開催された第23回サミットでは、各市による伝統芸能の実演が行われ、豊田市からは豊田市棒の手保存会と松平わ太鼓がそれぞれ演技を披露した。