(さぎちょう)
【民俗】〈年中行事〉
モチイ(小正月)の年取りの日である1月14日、あるいはモチイの時に、正月に飾った門松などを燃やす行事。ドンド焼き、サギッチョなどともいって年神を送る意味があり、旧正月に行うところもあった。組やシマ、またはそれよりも小規模の単位で行われ、河原などの開けた場所に門松や煤払いで使った竹などを持ち寄り、火をつけた。子ども達は書初めを持ってきて燃やし、高く舞い上がるほど字が上達するといわれた。また、餅を焼いて食べると夏病みしないとされた。稲武地区では燃やした後の熾火を家に持ち帰り、神棚の灯明やカマドの火の種火にした。子供組の行事として行われた事例も多い。保見(保見地区)では男の子達が焚き物を集めて高く積み上げたが、隣の地区と大きさを競いあったので、焚き物が盗まれないよう、積み上げた藁や竹の中で一晩過ごしたという。昭和30年代以降廃れた地域が多いが、平成になってコミュニティ活動の一環として復活した地域もある。〈年中行事〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻697ページ、16巻634ページ、17巻635ページ