猿投神社千手観音菩薩立像

 

(さなげじんじゃせんじゅかんのんぼさつりゅうぞう)

【美術・工芸】

像高 168.4cm、榧材一木造、内刳りなし、彫眼、彩色(現状は素地)。猿投神社の鬼門に建つ山中観音堂に秘仏として祀られる千手観音菩薩立像である。現状は、髻頂に仏面、天冠台上の地髪部に頭上面をあらわす十一面千手観音で、合掌手、宝鉢手の真手四臂と脇手三十八臂をあらわし、蓮華座上に立つ姿であらわされる。本体は榧材から彫出されるが、脇手は檜材で造られている。脇手の中には平安時代の脇手(17本)も含まれるが、本像の脇手にしてはやや大きく、他像から転用された可能性もある。また、本像は当初は四臂の十一面観音菩薩として制作された可能性も指摘されている。本像は、平成28(2016)年度から平成30年度にかけて解体修理を受けており、『別編 美術・工芸』に掲載される作品解説は修理前の状態によるものである。平成修理の修理内容や現状の姿については『豊田市史研究第11号』を参照されたい。県指定文化財。


『新修豊田市史』関係箇所:21巻32ページ、11号1ページ

→ 観音菩薩