シイ・カシ

 

(シイ・カシ)

【自然】

ブナ科の常緑広葉樹で、いくつかの種をまとめて、標記のように呼称される。市内では、シイはツブラジイ(主になる種、写真)、スダジイ、カシはツクバネガシ、イチイガシ、シラカシ、アラカシ、ウラジロガシ、アカガシ等が生育している。シイ・カシ類は、氷河期後気候が温暖化し、ブナ林が後退した後に進出し、群落をなすようになった。豊かな緑を蓄えるので「鎮守の杜」の表徴種として大切にされている。市内では猿投神社、畝部東町八柱神社、市木町八柱神社、広幡町八幡神社などに社叢林として育成されている。ツブラジイは、5月頃黄色の花を密生し、常緑・落葉樹の中でひときわ鮮やかな色彩風景を演出する。また、スダジイは、「神宿る依り代」として、人と神をつなぐ尊崇対象となっている。


『新修豊田市史』関係箇所:23巻366ページ