(しきもの)
【民俗】〈住生活〉
かつての畳は特別なもので、常時敷いていた家もあるが、冠婚葬祭など人寄せがある時だけ敷いたり、仏間など一部の部屋にだけ敷いたという家もある。使わない畳は部屋の隅に積むか、中二階に上げたり土蔵で保管した。大事な畳が傷まないようにするためには上にウスベリ(薄縁)を敷いた。これはイグサで作った畳表のことをいう。畳は名古屋間(中京間)で、縁のあるものとないものがあった。縁のあるものはヘリダタミといい、ブツマやザシキに敷かれた。縁のない畳はヤロウダタミといい、ダイドコロなどに敷かれた。敷物としてはほかにナガトコがあった。これはタカキビの茎で編んだ2畳つなぎの敷物で、購入した。下佐切(足助地区)では、寒いときにはワラを敷き、その上にミシロ(莚)を敷き、さらに布団を敷くこともあった。ワラはハカマの部分を使うと暖かかったという。杉本(旭地区)ではミシロの上にガマベリを敷いた。〈住生活〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻404ページ、16巻392ページ