(しちこうそうぞう)
【古代・中世】
親鸞が定めた浄土真宗の七高僧を描く掛軸で(絹本着色、縦約100cm×横約50cmの規模)、七高僧とはすなわち、龍樹・天親(ともに天竺・インド)、曇鸞・道綽・善導(いずれも震旦・中国)、源信・源空(ともに和朝・日本)である(写真:守綱寺蔵)。親鸞は、阿弥陀如来がすべての人を救うという浄土真宗の教えが、釈迦如来によって説かれ、それをインド・中国・日本の三国(三朝)にわたる7人の高僧が受け継ぎ、伝えて親鸞自身にまで届けられたと考え、『正信偈』や『高僧和讃』などでその内容を説いている。それを絵画で可視化したのが、この七高僧連坐影像であり、戦国時代以降、現在に至るまで真宗寺院本堂の内陣余間に、聖徳太子孝養像とともに掛けられるものである。なお、その軸裏には本願寺等真宗本山の誰がいつどこの誰にこの「三朝高祖像」を授けたのかという情報が記されていることが多く、所蔵する寺院の住職歴代を知る重要な文献史料としても注意すべきである。