七州城大手門鯱(個人蔵)

 

(しちしゅうじょうおおてもんしゃち)

【美術・工芸】

高さ120.0cm、木造銅板張。天明4(1784)年に挙母藩主内藤学文によって築かれた挙母城(七州城)の大手門の上に置かれた鯱で、市指定文化財。木彫で心木を作り、その表面に銅板を叩き出して成形した眉や眼鼻、口、鱗、尾など大小の部材を覆い被せて銅釘で留めたもので、鰭は別に作って鉄釘で装着する。眼球面も別製で、金色の卵形の銅板に銀色の半球形の銅板を重ね、黒い鉄釘で留めている。造形的には簡素な部分もあるが、鰭の形はシャープでシルエットは美しい。2体1組のうち1体のみが伝わる。なお、「子守明神祭礼絵巻」(江戸時代)には鯱を掲げた挙母城の大手門が描かれている。