ジャスト・イン・タイム方式

 

(ジャスト・イン・タイムほうしき)

【現代】

トヨタ自動車が開発した生産管理システムの一つ。「トヨタ生産方式」を構成する2要素(自働化とジャスト・イン・タイム)の一つでもある。このジャスト・イン・タイム方式は、必要なものを、必要なときに、必要なだけつくる生産方法であり、生産の効率化の仕組みである。自動車のように2万点とも3万点ともいわれる多くの部品が必要な製品を扱う工場では、効率の良い生産が必要となる。そのためには、ムダ、ムラ、ムリを防ぐことができる管理方法をとる必要がある。この管理方法により、無駄がなくなる、生産性が高まる、短時間で大量生産できる、より少ないコストで生産できる、ことが可能となった。こうしたトヨタ自動車独自の生産方法は、徹底的に無駄を排除し、製造工程の合理性を求めるものであり、現在では多くの企業がこの生産方法にならった体制を構築するようになっている。より具体的にこの方式をみると、トヨタ自動車では車の注文を受けるとすぐに生産ラインの先頭へ生産指示が出される。組立ラインはどのような注文が来ても車を造れるよう全種類の部品を少量ずつ取り揃えておき、使用した部品は使用した分だけ、その部品を造る工程(すなわち「前工程」)へ引き取りに行くかもしくは前工程の協力会社から部品が供給される。前工程においても同様にすべての種類の部品を少量ずつ取り揃えておき、後工程に引き取られた分だけ生産を行う。このような部品の供給システムが、ジャスト・イン・タイム方式の基本的な考え方となる。

『新修豊田市史』関係箇所:5巻110・299・305ページ