十王

 

(じゅうおう)

【美術・工芸】

十王は、死後の世界である冥府で亡者を裁く10の王のことで、秦広王、初江王、宋帝王、五官王、閻魔王、変成王、泰山王、平等王、都市王、五道転輪王からなる。この十王は、それぞれ初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日、百か日、一周忌、三回忌の裁きを行う王とされている。また、日本では十王それぞれに本地仏があてられるようになり、秦広王は不動明王、初江王は釈迦如来、宋帝王は文殊菩薩、五官王は普賢菩薩、閻魔王は地蔵菩薩、変成王は弥勒菩薩、泰山王は薬師如来、平等王は観音菩薩、都市王は勢至菩薩、五道転輪王は阿弥陀如来という関係づけがなされる。この十王の群像が表現される場合には、十王の他に、業秤、浄玻璃鏡、倶生神(司命、司録)、奪衣婆、地蔵菩薩が一具で制作されることが多い。

→ 十王寺(足助町)十王像