十王寺(足助町)十王像 

 

(じゅうおうじじゅうおうぞう)

【美術・工芸】

像高 35.8cm~60.6cm、檜材寄木造、内刳、玉眼、彩色。十王寺本堂左方にある脇壇上に、閻魔王像を中心に3段に分けて安置されている。全体は、閻魔王を含む十王のほか、業秤、浄玻璃鏡、奪衣婆、倶生神(司命、司録)、地蔵菩薩立像からなるが、地蔵菩薩立像は後世に追加されたものとみられ、このほかに別の十王像の1体とみられる尊像も現状ひとまとめに安置されている。閻魔王像は、像内の墨書銘から寛永9(1632)年に亡くなった徳川秀忠の菩提のために制作された尊像であることがわかり、寛永14年に造立され、翌15年に開眼供養が行われたことがわかる。その他の十王像なども同時期の制作とみられ、各像にも造像の背景を示す墨書銘が確認できる。十王の1体には「奉造立尊像 為誉浄芳禅定門 施主鈴木九太夫」と墨書銘があり、鈴木正三が施主となって造られたことがわかる尊像が含まれている。市指定文化財。


『新修豊田市史』関係箇所:21巻83ページ

→ 十王鈴木正三