(しゅうかい)
【民俗】〈社会生活〉
各戸1人ずつ全戸から集まる寄合はソウヨリ(総寄り)、ジョウカイ(常会)などといったが、近年では総会という呼び方が一般的になってきた。組の代表の組長会や字議員会を開催して総会の代わりとしたところもある。総会の場所は古くは区長の家、多人数が収容できる寺院、御堂などが充てられ、次第に公共施設の公会堂、公民館などや区民会館などの新しい施設になった。開催時期は12月・正月と3月・4月頃が多く、年2回、毎月とか隔月、不定期というところもある。ムラの1年が1月から始まっていた頃は、正月にハツヨリ(初寄り)・初総会が設定されていたが、ムラ運営が会計年度に合わせて行われるようになると、総会も3月、4月に開催されるようになった。総会の際は、古くは年長者が上座に座った。四郷下古屋(猿投地区)では上座に役員や有力者が座り、小作は土間に筵を敷いて座ったという。出席するのは一家の主人の義務であり、欠席の場合には罰則金を徴収したり、委任状を提出させたりした。昔は欠席するとハチブになったともいう。和合(下山地区)では区長が開催の日を決め、重要な案件は8割の賛成が必要で、決定まで何日もかけたとされる。後から財産家や長老的な人が異議を唱え、再審議となったという話もある。総会では現役員による年間の事業報告、決算報告、規約の改正など重要事項が審議・決定され、その後新役員の選出、事業案や予算案などが審議・決定されるのが一般的である。総会で決定された事柄を実施するため、別に役員会が開催されることもあった。これを区会、評議会、代議員会などといい、区長、副区長、会計などのムラ役や評議員(字議員、区会議員など)が加わり、組長や農事実行組合長、森林組合長、各種団体、相談役などが参加することもあった。役員会は定期的に月1回、あるいは不定期に区長が招集して開催され、総会に出す案件や行政機関の要請などが協議された。〈社会生活〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻462ページ、16巻443ページ