守綱寺七条袈裟・横被

 

(しゅこうじしちじょうけさ・おうひ)

【美術・工芸】

袈裟:丈111.0cm 幅218.5cm、横被:丈173.5cm 幅31.0cm。絹(繻珍・綾)、一組。寺伝によれば、守綱寺(寺部町)の寺名ともなっている渡辺守綱(1542~1620)が大坂夏の陣に参戦した折に、大坂城内にて豊臣秀頼が着用していた陣羽織を発見し、これを主君である徳川家康から拝領したのち、袈裟に仕立て替えたものという。伝承の詳細は確認できないが、不自然な生地の接ぎ合わせから考えて何か別の染織品からの仕立て替えであることは確実であり、もとは衣服であったかもしれない。表地には繻子地に多彩な緯糸を織り込んだ中国製と思われる三種類の錦(繻珍)が、裏地には日本製と思われる綾が用いられている。守綱寺が所属する浄土真宗では、七条袈裟に横被を加えた姿を礼装としており、守綱寺において最も重要な行事に着用されたと考えられる。


『新修豊田市史』関係箇所:21巻446ページ

→ 袈裟