守綱寺の仏教絵画

 

(しゅこうじのぶっきょうかいが)

【古代・中世】

本堂に掛けられる法宝物(掛軸類)では、寛永19(1642)年に親鸞影像、その翌年に太子・七高僧が東本願寺第13代宣如より授けられている。いずれも「渡辺半蔵治綱」の願主名で、「祖父守綱道喜」の報恩のため、「寺部村守綱寺常住物」として寄進されたことが各裏書からわかる。元禄4(1691)年、東本願寺一如により授けられた親鸞絵伝4幅もあり、願主は渡辺半蔵定綱(5代)である。また、注目すべきは同寺に初代守綱より12代寧綱まで計14点の「渡辺家歴代肖像」が所蔵されることで(守綱と2代重綱は2幅ずつある)、県指定文化財の守綱像は前述の親鸞影像と同年月日に東本願寺宣如より授けられたものと知られる。その他も東本願寺からの授与であり、近世武士門徒像として貴重な絵画史料である。なお、寛正5(1464)年に本願寺蓮如が大和国門徒に授けた「方便法身尊号」も同寺に伝来し、これまた貴重な真宗史料である。

『新修豊田市史』関係箇所:21巻189・243・245ページ

→ 守綱寺渡辺半蔵守綱像浄土真宗の絵画