(しゅこうじぼんしょう)
【美術・工芸】
総高98.0cm、口径58.0cm、銅鋳造、慶安元(1648)年銘。市指定文化財。守鋼寺(寺部町)の鐘楼堂に架かる梵鐘である。入母屋造りで桟瓦葺楼門型の鐘楼堂の階上にある梵鐘は、標準的な大きさの梵鐘であり、撞座の左右に伸びる中帯に陽鋳のシンプルな唐草文が配されていることが特徴的である。池の間4区に陰刻された32行、371字の銘文から、梵鐘製作が慶安元年4月8日であり、施主が2代渡辺半蔵重綱によるもので、その製作が京都の三条釜座の西村弥三右門藤原重昌によることなどがわかる。本鐘の特徴は、江戸時代によくみられる装飾的な意匠を備える点にあり、撞座の蓮華文の複弁八葉の意匠は三条釜座の鋳物師に通有のものである。
『新修豊田市史』関係箇所:21巻413ページ
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